黒と白の狭間で・空海(くみ)

黒と白の狭間で・空海(くみ)
1.黒と白の狭間で・空海(くみ)

「で、お前は どっちなんだ」 「私?、、、 うーん、、、黒、かなぁ」 そうだろう、この女は黒と答えるだろう、分かっていた。

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黒と白の狭間で・空海(くみ)
2.黒と白の狭間で・空海(くみ)

師走の河川敷、寒い朝だった。 お前は石段に腰かけ前を見ていた。 肩に、髪に雪が積もっている。   この女、どれ位座っていたんだ。 そこは、俺の定位置だ。

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3.黒と白の狭間で・空海(くみ)

それは住宅地の中にあった。 民家でコンサートするのか。 珍しくないのかもしれないが、俺には新鮮だった。 駅から数分の距離にある建売住宅、電車を利用する者には、ありがたい近さである。 知らなければ通り過ぎているだろう。

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4.黒と白の狭間で・空海(くみ)

「今 ちょっといいか?」 「はい」 「プロになるのに、どれ位の時間がかかるんだ?」 「さぁ、人それぞれなんじゃないかしら」 「一万の法則やらに興味があるんだ」 「一万の法則?」 「何でも一万時間費やしたら、モノになると」 […]

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5.黒と白の狭間で・空海(くみ)

「なぜプロになった?」 「ブルガリアから戻って、ピアノのが好きだったし、それ以外 考えられなかった。 学校の先生や色々な先生方も、プロになりなさいと言ってくれた。 ただ、母は趣味で続けるのはいいけれど、プロは安定しないか […]

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