「で、お前は どっちなんだ」
「私?、、、 うーん、、、黒、かなぁ」
そうだろう、この女は黒と答えるだろう、分かっていた。
“1.黒と白の狭間で・空海(くみ)” の続きを読む30年の実績で信頼のカウンセリング
師走の河川敷、寒い朝だった。
お前は石段に腰かけ前を見ていた。
肩に、髪に雪が積もっている。 この女、どれ位座っていたんだ。
そこは、俺の定位置だ。
“2.黒と白の狭間で・空海(くみ)” の続きを読むそれは住宅地の中にあった。
民家でコンサートするのか。 珍しくないのかもしれないが、俺には新鮮だった。
駅から数分の距離にある建売住宅、電車を利用する者には、ありがたい近さである。
知らなければ通り過ぎているだろう。
“3.黒と白の狭間で・空海(くみ)” の続きを読む「今 ちょっといいか?」
「はい」
「プロになるのに、どれ位の時間がかかるんだ?」
「さぁ、人それぞれなんじゃないかしら」
「一万の法則やらに興味があるんだ」
「一万の法則?」
「何でも一万時間費やしたら、モノになると」
「そうなんですか」
“4.黒と白の狭間で・空海(くみ)” の続きを読む「なぜプロになった?」
「ブルガリアから戻って、ピアノのが好きだったし、それ以外 考えられなかった。 学校の先生や色々な先生方も、プロになりなさいと言ってくれた。 ただ、母は趣味で続けるのはいいけれど、プロは安定しないからダメと反対だった。」
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