30度はあろう暑い昼下がり、とある交差点の一台の自動販売機。
おじさん、しゃがみ込んで空き缶を物色している。 気合いが入っている。
銚子の良い時は、2〜3千円稼げる、以前 別のおじさんが教えてくれた。
私が知る限り、このおじさん達、共通して前歯がない。
ビニール袋に結構入っている。
今日、大漁だろう、ええ物食べられたらいいな、等と思いながら見ていると、500mlのビール缶、手にして振って、残量確かめている。
と、思った瞬間、顎を上に上げ残り僅かであろうビール飲みほした。
正に早業!! けど、、
気、抜けてるやん。 生ぬるいやん。 美味しいのん?
喉が渇いているなら、今や お水・お茶だけでも多くの種類があろうに。
おじさん、そこまでしてビール、飲みたかったん?
今日これだけ稼いでいるんやから、労働後の一杯、クウ〜ッてなる位 美味しいのに。
待てなかったん?
おじさんって、、
もしかしたら、酒で人生 失敗したん?
おっと、、
私が、あなたこそ!って思ったのは、その腸の強さ!!
お腹、それ位では壊さない その鍛えられ方。
こうなるまで、どれだけ下痢で のたうち回って来られたんだろう。
ホームレスに入学したての頃、我ら凡人と腸の強さ、変わらなかったはず。
そこに、人の可能性を見た。
苦しんで、苦しんで人は鍛えられていくんだと。
なりたての頃は、心も苦しんだはず。
いやも、そこに至るまで、人生捨てよう、動物として生きていこうと覚悟を決めるまでの方が、心は苦しかったかもしれない。
1回や2回のた打ち回る位では、腸は腐敗物には勝てないだろう。
そこを諦めず、粘り抜いたからこそ強い腸が出来上がったのだろう。
今、腸に半分以上の免疫力がある、と言われている。
おじさん達、それぞれ知人や友人はいるかもしれないが、一人で生きている。
強さを感じるのは私だけだろうか。
予測つき難い日本の社会。
おじさん、あなたこそ、生きていく見本を ”生” で見せてくれているんじゃないだろうか。
”何があっても、腸さえ鍛えたら生きれるぜ” って。